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オンライン授業

(2020年6月11日更新)

新型コロナウイルスの影響で、英語・英会話レッスンを、オンラインレッスンに切り替えて行う例が増えてきました。試してみたいけれど、これまでにオンラインで英語の指導なんてしたこともないし、どうしようか、とご心配をされている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、オンラインで英語・英会話のレッスンを行う際に参考としていただけるような情報をお届けします。

目次;

1. オンライン英会話レッスンで使うツールって?

2. オンラインレッスンを行う際の注意点

3. 実際のレッスン・イメージ

4. ベテラン講師からのTIPSご紹介

[参考]オンラインツールを活用しよう

1.オンライン英会話レッスンで使うツールって?

コロナ対策で多くの会社員がリモートワークをこなし、今ではサラリーマンの飲み会までもがオンラインで行われています。そんな中、皆さんが良く使っているのが、Zoom(ズーム)というアプリです。ここでは、ズームを中心に、オンラインレッスンで使用できるものをいくつかご紹介します。

※ズームのダウンロード方法や使い方は、ネットで『zoom使い方』などでキーワード検索をすると、わかりやすいウェブページがたくさん出てきますので、ご参照ください。

※生徒さんをズームに招く場合も、キーワード『zoom参加する方法』などで検索してみてください。

■Zoomってどんなツールなの?

Zoomには無料版と有料版があります。>無料版でも端末2台までの接続であれば、機能の制限は殆どなく、十分にレッスンの提供・指導ツールとして活用が可能です。また、生徒(参加する側)からのメールアドレスなどの登録も不要なところも手軽で良い点です。しかし、スマホを使用される場合、Wi-fi環境下にない場合は、Zoomのダウンロードおよびご利用には通信料がかかります。

■Zoomはこんな特徴があります。

・チャット機能で文字でのやりとりが可能。
・ホワイトボードの機能もあり。
・画面共有できるので、指導したいテキストを見せたりポイントしながら話すことが可能。
・端末(PC等)の音声共有も可能。
・端末が3台以上ある複数名のレッスンにも対応。ただし、無料版では40分ごとに繋ぎ直す必要あり。
・とても軽いアプリで、スマホやタブレットでも簡単にインストール出来て通信状態も安定。

■Zoomのセキュリティは?

テレワークでよく使われているZoomですが、以下の点に気を付けて使用しましょう。

  • ・会議や教室を「公開」しない。
  • ・ソーシャルメディアの投稿で、会議や教室へのリンクを共有せず、特定の人に直接リンクを提供する。
  • ・画面共有オプションを管理。Zoomでの画面共有を「ホストのみ」に変更する。
  • ・ソフトウェアは最新バージョンを使う。

■Zoom以外にツールはないの?

他の選択肢として、いくつかのツールがあります。

Whereby
https://whereby.com/

Skype
https://www.skype.com/ja/

LINEビデオ通話

https://guide.line.me/ja/beginner/free-calls.html

自分や生徒のご使用になるデバイスによって、使い勝手も違うと思いますので、一つメインを決めて、バックアップとして、別にもう一つあると安心です。

2.オンラインレッスンを行う際の注意点

オンラインレッスンでは、対面レッスンとは違うちょっとした工夫が必要になります。以下の点をチェックしてオンラインで英語・英会話指導をスムーズに行えるようにしましょう。

1)映りかたチェック

まず、自分がカメラ越しにどう見えるかをチェックしたいですね♪ 上半身の動きや、背景にプライベートなものが映り込まないかなど、1度チェックしておくとスムーズです。

2)背景の雰囲気づくり

特に幼児の場合などは、「えいごの時間だよ!」という空気感を出しましょう。画面に映る先生側の後ろにアルファベットポスターや絵カード、色のチャート、テキストのキャラクターカードなどを貼り、画面を通してカラフルに楽しい雰囲気が見えるようにしておくと気分も上がります!

3)レッスンで使うもの準備(生徒)

前もって保護者・生徒に、レッスンで使用する教材、揃えてほしいものなどを伝えておくと良いでしょう。また、レッスンを始める前に、教材類がきちんと揃っているかを画面越しに見せてもらうなどして確認をしてください。

4)指導で使うもの準備(先生)

講師側も、レッスンで使用する資料は、前もって準備をし、レッスン時間内で、もたつかないような配慮が必要です。たとえば、レッスンで使うテキストやワーク、プリントなどのページや、ゲームで使いたい絵カードなどは、前もって写真を撮っておく。その後、JPGファイルやPDFファイルにしておくと、レッスン時に、そのファイルを画面共有で生徒に示すときに見せやすいです。

5)機器充電

使用する機器の充電を忘れずに(生徒・講師ともに)。これは必須です。

6)静かな場所の確保

講師側はもちろん、生徒さんにもできるだけ静かな環境でレッスンできるよう、可能な限りレッスン場所の環境を整えてもらいましょう。

7)「聞こえない」「見えない」への対応

講師は出来るだけ、ヘッドセットを使うと音声がクリアになります。iphoneの純正イヤホンでもマイク付きヘッドフォンとして利用が可能です。生徒さんは、年齢が小さい場合など、イヤホンは難しいという場合もあるので、無理強いはしないでください。また、どうしても聞こえない、見えない、という事態は発生することがあるので、それを逆手にとって、次のようなフレーズの練習の機会としてみても良いですね。

・I cannot hear you! 

・Please say one more time.

・Can you hear me

・Show me, please.

8)顔の表情を豊かに!

上半身しか見えないので、顔の表情をいつも以上に豊かにして語り掛けましょう! その他、ジェスチャーを大きくしたり、ゆっくり・はっきり話すことも心掛けてください。

9)複数の生徒と対峙するときにはルール決めを。

生徒が複数の場合、生徒が一斉に話すと聞き取れないので、挙手をしてから発言をさせるなど、前もってルールを決めておくと良いでしょう。

10)宿題チェックは?

Writingの宿題チェックや答え合わせは、少しやっかいです。LINEやメールで答えを保護者に送り、代わりに行ってもらうなど、協力をお願いできるようでしたらそうしてください。生徒からも画面共有機能が使えますので、ご協力頂けるようでしたら宿題を画像ファイルなどにして生徒の端末に入れておいてもらえば画面共有で生徒の回答を見ながら解説ができます。

11)時間を分割してみる

オンラインの場合、対面でのレッスンよりも生徒の緊張感や必要とされる集中力も増大します。そのため、いつものレッスン時間の長さでは、集中できない生徒さんもいるでしょう。そんなときは、1回のレッスンを2回に分けて行うなどが必要なケースもあるかもしれません。 どうしても対面レッスン時間でのレッスンが困難な場合は、生徒さんの様子を見て、保護者とも相談してみてください。

12)トライアンドエラー!

初めから完璧は無理! お互い、少しずつ慣れていけるよう、ハプニングも楽しくとらえましょう。慣れてきたら、できるだけレッスンの流れをルーティン化するとスムーズに指導が行えるようになるでしょう。

3.実際のレッスン・イメージ

オンラインでの英語・英会話指導では、対面のレッスンとは違って、文字を書かせたりワークに取り組ませる、などといったアクティビティがやりにくい場合もあります。そんなときに手助けとなるのが画面や音声共有機能です。Zoomでは、画面や音声の共有ができるので、使いかたを前もって確認しておくとよいでしょう。ここでは、幼児や小学生向けの英語・英会話レッスンを実施する際のちょっとしたアイデア。そして、普段のレッスンの合間に、ちょっと息抜きができるようなアクティビティやゲームなどをご紹介します。

【レッスン全般の気配り】

▼生徒の緊張をほぐそう!

慣れるまでは日本語でもいいので、楽しく話して、緊張を解くことが大切です。新型コロナウイルスの影響で外出もままならない子供たちはストレスが溜まっていることも多いはず。たくさん話を聞いてあげることも必要です。

▼声掛けをたくさんしましょう!

レッスン中、特に幼児の場合は、子供の名前を意識して呼んであげてください。何か言いたげな様子があれば敏感にキャッチして、よく聞いてあげましょう。

【レッスン・イメージ】

レッスンの始めには、習った英語を使って、Q&Aを行ない、英語の世界に引き込みましょう。日常の挨拶、体の調子、天気、今日の食事の内容、など日常生活についてなど、生徒の身近なことを尋ねる。これは普段のレッスンでもやっていることですね!ちなみに・・・・

気分を盛り上げるためにも、明るい色の服を着てみましょう。そして、レッスン開始時にはあえてカメラをoffにしておいて、音声だけで自分の服装について述べ、その後カメラをonにして何を着ているか確認するとクイズのようになって、画面をonにした時、ちょっとした楽しみができます。

   

生徒の背景に見えるものを使って、それについての質疑応答を行いましょう。カレンダーの写真や絵、置き物の人形など、題材は何でも良いです。生徒の服装でも可。

   

予め画像ファイルやPDFファイルとして取り込んでおいたテキストやワークを、Zoomの共有機能を使いながらレッスンしていきましょう。音声データもレッスンで使用する端末(PC・タブレット・スマホ等)に取り込んでおくと、Zoom共有機能を使って生徒に聞かせることができます。

参考: 

https://support.zoom.us/hc/ja/articles/201362643-画面共有中にコンピューターサウンドを共有する
https://support.zoom.us/hc/ja/articles/201362153–画面を共有するにはどうすればよいですか-

   

ヒアリングの練習として、先生が最近の出来事や、それについての考えなどを英語で話して、生徒に後から質問をしてみましょう。Show and Tellを行っても良いでしょう。

   

ワークを行う際には、対面とは違った工夫が必要です。Zoomにはホワイトボード機能があるので、そちらを活用してみても良いでしょう。

参考:

https://blanche-toile.com/tools/zoom-whiteboard 

【その他オンラインならではのアクティビティ】

▼ビフォー・アフター

講師はまず、今見えている自分の様子を生徒に覚えてもらい、いったん映像をオフにして、眼鏡をかけたり、服を着たりなどして、変化をつけます。カメラをオンにして、生徒には、どこが変化したかを見つけて、言ってもらいます。人だけでなく、部屋の中の様子を変えたり、デスクの上のものを置き換えたりなど、いろいろと楽しめます。また、生徒にもやってもらってもよいでしょう。

▼絵本を使ったSPYゲーム

何が見えるか→何色か、大きいか小さいか、いくつあるかetc・・・幼児でも楽しくやり取りができます。

【課題・宿題を与える場合の工夫】

対面の時より、わかりやすい説明をしてあげることが大切です。

できれば、保護者にも協力をお願いして課題を与えるようにしてください。

▼課題・宿題の例

・家にある自慢のものを説明できるように練習しておいてもらう。レッスン時には、その自慢のものを見せてもらいつつ、説明をしてもらう。

・今は出かけられないけれど、次に家族でどこに行きたいかを発言してもらう。

・自分の住んでいる町の自慢

・私のお気に入りのお店

・ぬいぐるみや人形など、家にあるものを使い、それを主人公としたストーリーを考える。

例:熊のぬいぐるみ:名前、好きなもの、誕生日、どこに住んでいるか、などを言わせる。高学年の生徒であれば、短編のストーリーを作ってもらう。

【レッスン後のフォロー】

毎回でなくてもいいので、わかりにくいところはなかったか、生徒が、宿題の内容を理解できているかなど、生徒本人・また保護者にもそれぞれ聞いてみてください。

フォローをしておくと、次のレッスンもやりやすいでしょう。

4.ベテラン講師からのTIPSご紹介

今回の資料作成のタイミングで、既にオンラインでの指導経験が豊富なjunchan先生にお声がけをしました。

すると「皆さんのお役に立つのであれば」ということで、オンラインレッスンならではの工夫について9個も教えて頂きました! 

皆さんにシェア致します。junchan先生、本当にありがとうございました!!

1)宿題ありきのレッスン内容にする

対面と違い、オンラインでは生徒さんの書いたものなどを、その場でチェックすることができません。

私は、宿題としてライティング(小さいお子さんのワークも含む)を事前に写真で送ってもらって、目で確認しています。

また、レッスンの組み立ても、宿題ありきで、レッスンの時間は答え合わせと解説に使っています。

つまり、宿題で生徒さんに課題をしてもらい、そこを骨組みにレッスンプランを練る方法です。

2)オンラインでは20の扉とwho am I は人気です。

20の扉とは、想像力を駆使するゲームです。

まず、先生が、ある場所、人、あるいは物を思い浮かべます。

生徒さんは、質問をしていって、20回の質問(扉)の前に答えられたら、生徒さんの勝ちです。先生と生徒さん、交代で質問し合います。

Who am I? は、I am yellow. I am sour. I am a fruit. Who am I と言う風に、三つヒントを出します。答えはレモンですね。これも人気です。

こちらの二つのゲームは、雰囲気を変えたり、リフレッシュするときによく使います。時間が余った時もよく使います。

3)Show and tell

大好きなものや写真を見せながら、それについて熱く語ってもらうミニプレゼンです。

これも宿題になりますが、わからない単語は事前に辞書で調べてもらって、ミニプレゼンをしてspeakingを高めましょう!語彙も上がりますよ!度胸もつきます。

生徒さんと、先生、お互いにしてもいいですね。

時間が余りそうになったら、即興で生徒さんに手持ちのアイテムを見せて、熱く語ります。

4)生徒さん宅と、先生宅、双方に同じもの(テキスト、小道具)があると便利です。

スカイプでは、生徒さんと先生が同じテキストを使います。

今まで一つだったテキストやアイテムも、二つ必要(生徒さん用、先生用)になることもあると思います。

私はリビングの本棚にテキストや、レッスンで使う小道具を保管しています。

書斎でレッスンをしていますが、書斎の空けてある棚に、その日に行うレッスンに必要なテキストと小道具を移動して準備します。

小道具にはトトロ(大人気!)などのぬいぐるみなどがあります。

また、兄妹同時レッスンの時など、色の違うボールを用意します。

お兄ちゃんに質問するときは緑色のボールを近づけて、妹さんに質問するときはピンクのボールを近づけて、と言う風に使い分けしています。そのような小道具です。

緑色の時は、お兄ちゃんの時間。ピンクの時は、妹さんの時間、と言う風に切り分けもできます。

5)壁に優しい色合いのカレンダーを貼ると便利です。

私は、いわさきちひろさんの一年が書いてあるお花のカレンダーを壁に貼ってあります。

これは、代替えで、アクティブでいただくカレンダーと、お花の絵などでもいいと思います。

そうすると、レッスンの最後に、ではまた来週は(目線をカレンダーに移す)4月29日ですね!See you on 29th! と、日付のチェックができます。

お花の絵があることで、映る画面もカラフルになります。

5)小さいお子さんとのレッスン1

準備にエキストラで時間がかかるのと、効率を考えて、私は、テディーベア、ファンハウスなどのレッスンマニュアルを、まとめて、Unitごとに長めのレッスンプランを練り、3回同じレッスンを繰り返しています。

つまり、本来であれば、1週ごとに違うレッスンプランですが、ワークができないため、アクティビティやゲームが長めになります。

3週のアクティビティやゲームをまとめて、それを3回、バリエーションを変えながら(歌とか踊りとか、ミニゲームを変えながら)繰り返しています。

また、ワークも、その場でしてもらうのではなく、宿題でしてもらって、「すごいね!ここ、頑張ったね!」など、ワークをもとに会話します。

6)小さいお子さんとのレッスン2

あまりに小さい(3歳から8歳くらい)お子さんですと、コンピューターを使用できないので、お母さまかお父さまとご一緒のレッスンになります。

保護者の方に協力していただき、みんなで褒めて、レッスンを盛り上げましょう。

また、小さいお子さんに、さらに小さいお子さんの妹弟さんがいると、面倒を見る為、保護者が二人必要になり、二人確保できなかった為、レッスンがキャンセルになることもあったかもしれません。

そのような場合は、兄弟同時レッスンをご紹介し、同時にレッスンをしてみてはいかがでしょうか?

7)小さいお子さんとのレッスン3

小さいお子さんとレッスンのハイライトは The Sticker time! ではないでしょうか。

この、ステッカーが、オンラインだとできません。

でも、生徒さんは楽しみにしています。

私は、生徒さん宅に、先生からのプレゼント、として、メッセージカードとともに、ステッカーを郵送しています。

ハロウィンやクリスマス、桜の季節などは、特別ステッカーとしてプレゼントしています。

8)こまめなフィードバック

今日のレッスンは、ここを頑張りましたね!次はこうしましょう。

と言う内容のメッセージを、スカイプのメッセージ機能を使って、生徒さんに(あるいは保護者の方に)フィードバックしています。

こまめにするといいようです。

9)バックアッププラン

パソコンとスマートフォン、あるいは、タブレットとスマートフォン、のように、通信がうまくいかなかった場合を想定して、二つのデバイスで、スカイプやZoomのアプリがすぐに稼働できる状態でレッスンを開始しています。

通信に不都合があったら、一旦切ります、と言って、別のデバイスで折り返します。

[参考] オンラインツールを活用しよう

本屋さんなどに行くと、子供向けのワークブックなどが手に入りますが、インターネットからも無料で素晴らしいワークシートを入手することができます。

無料でも大いに活用できるものから、有料会員になれば豊富にダウンロードできるサイトなど、様々ありますので、ご自身のニーズに合わせて検索してみて下さい。

いつもとは雰囲気を変えて、算数を英語でやってみたりしても面白いかもしれませんね。

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